えっ無意味?常識が問われる!リサイクルは間違いだった?

《偽善エコロジー「環境生活」が地球を破壊する》武田邦彦氏の主張

こちらの本は、前回ご紹介した《本当のリサイクルがわかる本(松田美夜子著)》より8年後の2008年に、書かれたものです。

今回は、前回の本とほぼ逆の、今行われているリサイクルを否定するような内容です。
一生懸命真面目にリサイクルに取り組んでいる方にこそ、読んで頂きたいと思いました。

あまりにショッキングな内容ですので、この武田氏の主張に拒否反応を起こす方も多くいらっしゃるようですし、この本が全面的に真実なのか?そこまで詳しくは検証できません。しかしこれをきっかけに本当の意味で「環境にも人にも有益なリサイクルのあり方」の議論が深まっていくことが環境問題解決の第一歩になると思い、ご紹介します。

ほとんどのリサイクル(再生利用)は無駄であると著者は述べています

★真面目な人ほどがっかりするリサイクルの嘘(?)がいっぱい

私も今までやっていた、さまざまなリサイクル…これ、無駄だと言われたら?
本当にショックです。この本の内容を知ったら、「え~?」と悲鳴や落胆、もしくは反論や怒りが巻き起こりそうです。では、内容を具体的にご紹介します。
businesswoman2_shock
出典先(いらすとや):http://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_4655.html

★エコバッグはエゴバッグ?レジ袋を使う方がエコ

エコバッグ、持ってますか?
レジ袋を使わない為に、環境問題に関心がある方ならひとつやふたつ持っていると思います。私もいくつか持っています。著者は、レジ袋を使うことを推奨しています
shopping_bag_rejibukuro
出典先(いらすとや):http://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_394.html

理由は全部は書けませが、少し挙げると、

  • 石油の捨てる部分を利用して作っているレジ袋なので、資源の無駄とは言えない
  • エコバッグを作る材料の消費の方がレジ袋を作るより環境に負担がかかる
  • ゴミを捨てる時にレジ袋を使えば無駄がないはず。レジ袋を使いまわすのはリユース(再利用)になるのにもかかわらず、わざわざ専用の袋を買わせる

根拠も分かりやすく書いてあります。
著者は、レジ袋を止めた方が石油を多く使い、スーパーの売り上げ増に貢献するこの「エコバック持ちましょう」という風潮に一石を投じています。

★私、マイ箸持っています!がエコじゃなかったら?

はい。マイ箸持っています。お弁当の時や、登山時に。え?これもエコじゃないんですか?またまたショックです。著者は、国産の割り箸を使うことを勧めています。

森林を守る為という、大義名分で始まった「割り箸は使わない方がエコ」。
しかし、「日本の森林を守る」という観点で見ると、端材になった木材を有効活用できる物として「割り箸」は悪者ではないというのです。

今、日本で割り箸を作ることは、難しくなっています。そう言う風潮だからです。そこで、海外から輸入するようになりました。これが、問題だったようです。海外の割り箸は端材の利用ではないのです。効率良く割り箸を作るには端材より、伐採です。

日本で「割り箸が森林にとって悪」のような扱いを受けることにより、日本の端材がゴミになり、海外では伐採が進みます。なんとも不幸なサイクルになってしまいました。

マイ箸が悪いわけではないけど、「日本の森林に優しいのは、日本の森林の端材で割り箸を作り、海外から輸入しない」ということだと私は理解しました。この問題はとても大きく、著者は、森林の育成や、利用の仕方、全体をきちんと見ていきましょうと呼びかけています。
th_photo

★生ゴミを堆肥にすることは、実は危ないことだった?

これも意外でした。とても無駄がなく、良いことだと思っていたので。
では、どうして食品のリサイクルが危ないのでしょうか?

たとえ、自宅で出た生ゴミをコンポストなどの処理機でかけたとしても、入れていいものと入れてはいけないものが細かく分けられているので、なんでもかんでも入れると虫が湧いたり、悪臭がしたりします。また、食品の添加物も有害です。

自宅でなければ、もっと危険です。生ゴミ意外の物が混じる危険性もあります。もし、有害物質の入った肥料で出来た野菜を口にしたら…?

よっぽど管理の行き届いた堆肥でなければ、恐ろしい結果に繋がりかねないと著者は警告しています。解決策も提言しています。地の物を使い、食べ残しを防ぐ。

食品リサイクルをするのは、食べ残し、使い残しが大量にあるからです。
大量輸入、大量廃棄を繰り返す日本。消費者も、売る側も環境についてできることは、リサイクルを考える前にもっとあるはずです。

★古紙のリサイクルも問題いっぱい

覚えている方はいるでしょうか?2008年に発覚した、リサイクル紙の偽装問題。
100%リサイクル紙が、実は大嘘だった、ほぼリサイクル紙は入っていなかった事実。

そのお詫び会見で偽装した製紙会社は、「リサイクル紙を作るには、資源をかえって多く使う」と言ったそうです。大手の製紙会社はきちんと森を管理している。だから紙で森林破壊はおこらないのだそうです。紙がなければ製紙会社は成り立ちません。なので、きちんと森を管理しているというのです。そのため、紙が森林破壊を進めているというのは大きな誤解だそうです。

それでも紙の需要が増えた時、輸入するか国内の紙をリサイクルするかどちらがいいのでしょうか?森林が多い北欧などでは、森林の生育量が消費量を上回り、有効に活用できていません。なので、日本が輸入、利用しても問題はないそうです。

では、国内の紙をリサイクルするというのはどうでしょう?
今、皆さんも新聞や雑誌をリサイクルに出しているのではないでしょうか?私もそうです。
しかし、この紙のリサイクルには大きな問題があります。

  • 紙の原料は繰り返し使うと繊維がダメになり劣化する
  • リサイクルには大量の石油が必要という事実
  • 処理する時に、薬品も大量に使うという事実。それの廃棄問題

リサイクルには処理する費用、労力、エネルギーも莫大にかかるということを忘れないようにしたいものです。

★牛乳パックリサイクルの怪しい話

牛乳パック、飲んだ後は、洗って開いて乾かして、、、リサイクルしていました。それが当然のこと。常識。環境にいいと思っていたので。しかし「牛乳パックリサイクルには意味がない」と著者が言い切る理由が以下のとおりです。

「回収量が紙全体で見ると少なすぎる」。チリも積もれば山と言えない位の量に対して、手間をかけてリサイクルする意味がないのだそうです。

そして、販売店などが紙パックのリサイクルをさも「良いこと」のように言い、人の善意を利用すること(特に子供の善意をも巻き込むこと)に、著者は大きな怒りを感じています。※古紙のリサイクルと同じ理由です。

★ペットボトルのリサイクルは良くないって本当?

th_petbottle
出典先:http://petbottleweight.seesaa.net/article/102662185.html

これもやっていました。洗って、キャップと別にして、回収ボックスに入れて…。
これもダメなのか?と、私はため息が出ます。著者はペットボトル容器自体は軽い、丈夫。意外に資源を使わないというペットボトル。とても優秀な容器だと著者は絶賛しています。そして著者は、なぜペットボトルは悪物扱いされるようになったか理由を述べています。

ペットボトルについては誤解も多く、きちんと処理をすれば有害な物質も出ず、綺麗に燃えるそうです。また、いい点は「生ゴミを燃やすエネルギーになる」ということです。また、スーパーなどで回収しているトレーも良く燃えるので、これまた燃やすエネルギーとして有効だそうです。

そのほか、回収しているはずのペットボトルがあまり利用されていなかったり、処理するために税金が使われていたり、利権も絡んでいるようで、本を読むとなんだか根深い問題なんだと感じられます。

★その他、この本の中でリサイクルに向いてないと言われている物

  • ガラス瓶・・・優秀な容器だが、リサイクルするのは大変手間がかかる。大量消費時代には向かない容器。
  • 食品トレー・・・ペットボトルと同様、燃やすエネルギーとして使った方が有効活用できそうな内容でした。

ダイオキシンは危険じゃないと断言

この意見も対照的で、著者武田氏は、ダイオキシンは危なくないと言っています。ダイオキシンよりもっと危険なものがあるにも関わらず、「ダイオキシン」が悪者扱いされている理由は何かが書かれています。

焚き火でもタバコでも焼き鳥でも実はダイオキシンが出ていると言います。本当に有害なら、規制があるはずです。また、ダイオキシンばかりに気をとられると、本当に有害な物に目が行かないという危険が発生すると述べています。

ドイツ信仰はやめるべきと警告

前ページでご紹介した「本当のリサイクルがわかる本(松田美夜子著)」では、環境先進国としてドイツが取り上げられていました。でも、こちらの本では、「日本人の方が、ドイツ人より、ゴミを出さない生活をしている」と言っています。

ゴミの処理の仕方では比較が難しいので、筆者は、資源、エネルギーなどのデータを日本とドイツで比較して計算しています。また、調査と称して税金を使いドイツに海外視察へ行くことへも苦言を呈しています。

著者は金属以外のゴミは
リサイクルしない方が良いと述べています

筆者の本当に言いたいことは?筆者、武田氏は、「金属」と、「その他のゴミ」2種類で分別すれば良いと提言しています。

まず、筆者はアルミ缶のリサイクルは有効だと言っています。理由はアルミ缶を作る時のエネルギーより、リサイクルするエネルギーが少なくて済むそうです。缶はリサイクルしがいがありそうです。
gomi_can
出典先(いらすとや):http://www.irasutoya.com/search?q=缶
そして金属は、高い価値があるのだそうです。それも、金属は「磁石に付く」「重い・軽い」など、専門業者での分別が容易で、種類によって分別して分けなくても良いというのです。手間がかかりませんね。

生ゴミやペットボトル、トレーなどは、前述のとおりの理由で分けなくても良いと言っています。昔は焼却炉の性質も悪く様々な問題がありましたが、現在は高性能になっているので、分別する意味もなくなっているのかもしれません。

世田谷区も、生ゴミとプラスチックゴミは一緒に出すことになっています。※ペットボトル、瓶、缶、ダンボールや新聞紙は別回収です

★日本人が失った「物を大切に使う」という精神とリサイクルの問題点

日本人は昔から、物を大切に長く使っていました。しかし、今は大量消費、大量廃棄の国になっています。この事を筆者は嘆くと共に、自治体やリサイクル業者の怠慢や利権を断罪しています。家電リサイクルについても同様です。これらの事が本当だとすると、手間をかけ、リサイクルを一生懸命やってきたことがバカバカしく感じます。リサイクルすることに無駄な税金が投じられるのだとしたら?やり切れません。

★ゴミ問題はストレス社会が産んだもの?

人間、ストレスが溜まったり、心が満たされないと物欲に走ります。
また、「もったいない」という言葉や精神が海外にも注目、賛同されています。
筆者武田氏は、「もったいない」は感謝、そして心の問題として代々伝わってきた言葉だと言います。
stress_man
出典先(いらすとや):http://www.irasutoya.com/2014/03/blog-post_9392.html

「心が満たされる生活をする」ことが、異常な物欲を産まず、結果自然環境にも人の生活にも優しいとまとめています。

2冊の本を比較してみて<まとめ>

本当に環境に優しいこととは、結局どうすることでしょうか?

前ページでご紹介した《本当のリサイクルがわかる本》松田美夜子著 KKベストセラーズ 2000年発行と、今回ご紹介した《偽善エコロジー「環境生活」が地球を破壊する》武田邦彦著 幻冬舎 2008年発行。

8年間という差はありますが、そのリサイクルに対する主張は全く違うものでした。

たまたま同時に読んだ2冊のリサイクルに関する本で、こんなに対照的な内容だとは、正直驚きました。また、特に2冊目にご紹介した《偽善エコロジー「環境生活」が地球を破壊する》は、今までの「言われたとおり、常識的に真面目にしていたリサイクル」を否定する内容でした。

「常識」と思っていた物が実は怪しい、、、そんなことも世の中にはまだまだあるのかもしれませんね。

recycle

出典先(いらすとや):http://www.irasutoya.com/search?q=缶

しかし、2冊の本の中で共通している部分もありました。
それは、「ゴミ問題に真剣に向き合うこと」です。
そして一番の解決策はリサイクルより「ゴミを出さないこと」にあると両著者は述べています。

大量消費、大量廃棄によるリサイクル(再生利用)より、「もったいないと、リユース(再利用)、リデュース(ゴミを減らす)」することが大切なんだと思います。
本当の豊かさと、地球に優しい生活についてとても考えさせられる2冊の本でした。

固定ページ: 1 2

買取査定をお願いする

少しでも高く、量が多すぎて困っている、御利用した事無い、そんなアナタ様におススメします!
もちろん出張費、手数料など金銭関係の事は一切掛かりません。お客様は無料です。

0120-77-5357